1.墓石の種類にはどんなものがある?
お墓を建てるときにどんな墓石にするか、一度は悩んだ経験はありませんか?まずは、どんな墓石があるのかを知ることから始めましょう。ここでは、どんな墓石があるかのかを、「和型」「洋型」「それ以外の墓石」の3つに分けてご紹介します。今までは和型がメインでしたが、最近では技術の向上によりいろいろなタイプのものが登場してきています。それぞれの特徴をつかみ、故人の意思やご家族の故人へ対する思いなどを鑑みつつ墓石を選んでみてはいかがでしょうか。
・和型の特徴について
最も一般的で親しみやすく、江戸時代から続く伝統的な形が和型です。和型は基本的には縦長で様々形状や寸法を持っているのが特徴です。竿石・上台・中台・芝石で構成されていて、それぞれの部分に意味があります。竿石は、家名などの文字が刻まれた部分で天地人の天を表しています。上台は、棹石の下の部分で人や事業の動産の意味があります。間に上・下蓮華が入る場合もあります。中台は上台の下の部分で土地や財産の不動産の意味があり、芝石は中台の下の地面との接地部分です、水鉢や花立ての台になり納骨棺の保護をしています。水鉢は、仏様にお水をお供えする部分で、故人と墓参者を結ぶ、命の水をたたえる意味があります。灯篭は、故人の供養の他にも道を照らすとの意味もあります。このように、和型には仏教の教えを基にした、意味や役目が込められています。親しみのある形なので、お墓らしさを出したい方や伝統的なお墓を建てたい方に向いていると言えます。
・洋型の特徴について
和型に対して、最近数多く建てられてきているのが洋型です。その数が増えてきた理由には、芝生の上に墓石を設置する、芝生墓地の増加が挙げられます。洋型は横長でシンプルなデザインが多く、オルガン型・ストレート型・プレート型などがあり、高さも低いため明るく開放的な雰囲気にできるのが特徴です。また、和型には決まった文字しか入れることができませんが、洋型なら故人の好きだった言葉や文章、家族の思いなど自由に刻むことが出来るのも特徴の一つです。また、墓石自体の背が低いため掃除や手入れがしやすい、色も緑・ピンク・赤など様々な色が使用できることも人気が高まってきている理由となっています。故人の個性を出したい、今までの様式にとらわれずに墓石をつくりたいと考える方々に、おすすめの墓石と言えます。
・和型・洋型以外の種類の特徴について
墓石の種類には和型や洋型以外に、デザイン型・オリジナル型といった種類があります。デザイン型・オリジナル型は読んで字のごとく、和型や洋型などの既存の形式にとらわれない、より個性的な形を施した墓石を言います。制作方法は様々で、墓石会社が作成した今までのものとは全く違うデザインの中から選ぶタイプから、自分たちで一からデザインしていくタイプまであります。特徴はなんと言っても、「故人の意思や想い、好きだったものや趣味、または故人への家族の思い」などを形にできるところです。ハート型、ピアノ型、ボール型など、シンプルなものから壮大なものまで自由に建てられ、中には花や動物といったイラストを入れている墓石もあります。まさに、「世界に一つだけの墓石」を建てたいという方に向いているでしょう。
和型・洋型・デザイン型・オリジナル型などの墓石の種類について説明してきました。時代の変化と共に新しい価値観が生まれ、洋型やオリジナルな形の墓石が増えていることも事実ですが、やはり伝統に則った和型が最も人気のタイプとなっています。ただ、墓石をつくるときに一番大切なのはご先祖様や故人を供養する気持ちです。どのような想いや気持ちを墓石に込めるかを考えながら、墓石の構成を検討してみるのも良い供養となるのではないでしょうか。ご家族や身内の方と一緒に考えてみて下さい。
2.霊園(墓地)・墓所の種類は何がある?
@霊園・墓地の種類について
霊園、墓地は管理、運営の違いによって大きく3種類に分かれ、それぞれ設備や価格帯、サービスに特徴があります。
・民営霊園
宗教法人、公益法人から運営委託を受けた民間会社が管理し運営する墓地です。
申込みの制限、宗教的な制約もほとんど無く利用ができます。
販売している墓地がなくならない限り購入が可能で、霊園の数も多くあり、環境や区画のタイプなども好みに合わせた墓地選びができるメリットがあります。
霊園ごとに特徴があり、価格帯も様々。人気のある霊園、区画は売り切れる場合もあります。
・寺院墓地
寺院が管理運営しており、お寺の境内にある事が多い墓地です。
お寺が直接管理しているので管理面は安心ですし、葬儀や法事の際に読経や供養をお願いすることもできます。ただし寺院墓地はそのお寺の檀家となる事がほとんどです。
寺院によってはお寺の御盆やお彼岸などの季節行事への参加などが求められる場合もあるので、購入前には住職に行事やお付き合いの仕方など、確認をする必要があるでしょう。
・公営霊園
都道府県や市町村などの自治体が管理運営する墓地です。
宗教的な申し込みの制約が無く、管理費、使用料が比較的安価であり永続性も保証されています。各都道府県、市町村役場で申し込みや問い合わせができます。
購入の際は運営する自治体が行う公募に申込みをする必要がありますが、申し込み時期があり、不定期で募集の受付が行われ、申込者が多い場合は抽選になり購入が困難な場合もあります。
また申込者の居住地や遺骨の有無など、契約に関しての条件があります。
A墓所の種類について
墓所の区画の広さ、周辺環境は値段や建立可能な墓石の種類に関わってきます。
区画によっては希望する墓石を建立できない場合もあるので、慎重に検討する事が必要です。
※霊園によっては名称が異なる場合があります。
・一般墓所
最もスタンダードな区画タイプで、区切られた区画に墓石を建てる一般的な墓所です。日本で最も馴染みがあり多く普及しています。区画の広さ、形の規定はありません。和型や洋型など、様々な形の墓石を選ぶことが可能です。
・芝生墓所
芝生の上に墓石が間隔を空けて並ぶ区画タイプで、明るい雰囲気を感じる墓所です。洋型墓石やデザイン墓などが多く見られ、外柵も無く墓石単体で建立する事が多いです。一般墓所よりも石材の使用量が少ないため、比較的費用が抑えられる場合があります。
・ゆとり墓所
隣の墓石との間隔が空き、墓石の前後左右に敷石や植栽スペースが確保されている区画タイプです。墓石の周辺に玉砂利や生花などで装飾する事で、自由にデザインができます。空間に生垣を設けた生垣墓地など、様々なスタイルがあります。
・ガーデニング墓所
墓石の周囲に植栽や花壇スペースなどで飾れる区画タイプです。
芝の地面に墓石のみ設置する場合がほとんどで、外柵も無く開放的な雰囲気です。和型墓石より洋風で横型の墓石、デザイン性の高い墓石が多く見られます。
Bお墓の区画を選ぶ際は・・・
・区画の広さ…広ければ広いほどお墓、墓石のデザインが自由にできますが、価格も高くなってきます。芝生墓所だと墓石の高さ制限があるので、墓石を選ぶ際は広さと高さにも注意が必要です。
・日当たり…日当たりが悪いと湿気がこもり、カビ発生の原因になってしまいます。日当たりが良く風通しも良い区画だと湿気がこもらず、結果的にお墓の手入れが簡単になります。
・水はけ・地盤…水はけが悪いと納骨棺(カロート)まで影響を及ぼすこともあります。地盤がゆるいと墓石の倒壊につながります。水が溜まりやすい場所、地盤のゆるみがないか、確認が必要です。
・樹木・雑草…落葉樹の下だと落葉のため、清掃の負担が増える恐れがあります。木の根が成長して墓域の地中まで及び、墓石の傾き、倒壊の恐れがあります。蚊などの害虫も発生しやすく、お墓参りの際に難儀します。
・周りの環境…敷地の広い霊園なら管理事務所、休憩所や水場、駐車場が近い区画だとお墓参りがしやすいでしょう。車イスでもお参りできるようにバリアフリー設置の有無も確認できると良いでしょう。
気になる墓地には実際に足を運んで、環境や雰囲気を確認することも大切です。
お墓はご先祖様に日頃の感謝の想いを伝える大事な場所です。
しっかり吟味して、後悔のない霊園、墓所を選ぶようにしましょう。
3.墓石の相場価格はいくら?
お墓をつくるとき、まず気になるのが価格でしょう。「墓石だけの費用を用意すればよい」と考えがちですが、墓石単体の費用だけでは済みません。墓具や工事といった様々な費用を合計したうえで、最終的な価格が決められるのです。ここでは、墓石を建てるうえで知っておかなければいけない知識を説明していきます。だいたいどれくらいの相場になるのかを把握したうえで検討していくと良いでしょう。ご先祖様、故人の方のためにもぜひ、理解しておいてください。
・墓石だけじゃない、墓具にかかる費用
お墓には、墓石の他にも墓具が必要になります。墓具には「墓前灯籠」「卒塔婆立て」「物置台」「墓誌」「外柵」などがあります。絶対に設置しなければならない物ではありませんが、墓地の雰囲気や広さ、故人やご先祖様にふさわしいお墓はどのようなものなのかを検討してから決めていくと良いでしょう。では墓具の費用はどれくらいかかるのでしょうか。墓具の相場価格を見ていきます。「墓前灯籠」は3〜5万円、「卒塔婆立て」は1〜5万円、「物置台」は4〜6万円、「墓誌」は石材費として外国産の石で3〜10万円、国内産の石を使用すると8〜25万円、文字彫刻費で4万円前後となります。こちらはあくまで相場ですので、素材の良いものやオーダーメイドなどで行うとより高額になります。予算に応じてどの墓具を置くか選んでみてください。
・墓石を設置する工事費も忘れないように計算しよう
お墓をつくる費用には「墓石費」や「墓具費」の他にも「基礎工事費」や「墓石工事費」などがかかります。各費用は墓地の状態などにより大きく価格が変わりますので、あくまでも平均費用としてお考え下さい。基礎工事費とは、墓地全体の基礎作りにかかる工事費用です。この中には、工事に従事する人件費・工事に必要とする材料費・工事により発生する残土の処理費などが含まれます。相場としては墓地面積を3u、墓具無しの場合8万円程度かかります。「墓石工事費」とは、加工された墓石を組み立てる作業費です。組み立てに必要な材料費も含まれます。8寸角の墓石を設置した場合、9万円ほどかかります。このほかの費用としては、「耐震加工費」「ステンレス金具費用」などもかかります。地震が起きたときに崩れないようにする工事ですが、8寸角墓石の場合、3万円が相場価格になります。「ステンレス金具費用」は花立て、ローソク立てなどの小物金具にかかる費用でこちらも8寸角暮石の場合、2万円程度の費用がかかります。このように、墓石には墓石だけではない、様々な費用が必要になってくるのです。
・墓石の相場価格はいくら?
墓石の相場価格は「墓石費」に加え、「墓具費」「工事費」のトータルで計算され、だいたい60万円〜150万円あたりになります。価格に幅があるのは、墓地の広さや墓地の土地条件(基礎・墓石工事の難易度に関わる)、使用する石材、墓具の有無などにより大きく変動するためです。墓石費は種類とその大きさやデザイン、経年劣化が少ない良い石ほど高価になる傾向があります。また、最近増えてきているデザイン型になると工事の手間がかかることから、和型の2倍近く高くなる場合があります。墓具も充実させればさせるほど見栄えが良くなりますが、その分費用がかさみます。また、工事費も基礎工事だけでなく、耐震設計にしたり補強を施したりしたい場合、万単位で費用がかかってきます。墓石は常に外気にさらされるため、頑丈に設計しておくことが大事ですが、そのあたりは予算の範囲内で決めるようにしましょう。まずは相場価格を知ってから、どこを重点的に充てるのかを検討してみてください。
お墓をつくるとき、墓石の相場価格は気になるところです。ただし、この価格は墓石単体ではなく墓具費、基礎・墓石工事費のトータルで算出されることがおわかり頂けたと思います。また、その価格も墓地の条件、つくる方の嗜好により変わることも理解できたのではないでしょうか。お墓作りには、ご自身の要望と予算のバランスをうまく取りながら決めていく必要があります。事前にネットや資料請求などでしっかりと調査をし、良い墓石を建ててみてください。 |